
ダイエットはこんなに大変 〜自己流はNG、獣医師と一緒に「計画的に」〜
三浦市、横須賀市の皆さんこんにちわ。これまで、フード選びの基本、ライフステージ、トリーツ、病気とフードの関係についてお話ししてきました。シリーズの最終回は、ご相談の多い「ダイエット」がテーマです。
ご自身でダイエットに挑戦されたことのある方なら、体重を落とすことがどれほど大変か、よくご存じだと思います。人間ですら難しいことを、ごはんの量を自分で選べないわんちゃん・猫さんに、浅い知識やイメージだけで進めてしまうと、深刻な健康被害につながる恐れがあります。
「とにかく減らす」が一番危険です
太ってきたから、フードの量をぐっと減らす。おやつをやめる。そうした「とにかく減らす」やり方には、次のようなリスクがあります。
- 猫さんの場合:急激に食事量が減ったり、食べない状態が続いたりすると、脂肪が肝臓に蓄積して「肝リピドーシス(脂肪肝)」を起こすことがあります。重症化すると命に関わることもある、特に注意が必要な病気です
- わんちゃん・猫さん共通:必要なたんぱく質やビタミン・ミネラルまで不足し、脂肪ではなく筋肉が落ちてしまったり、毛艶の低下や元気の消失につながったりします
- リバウンド:無理な制限は空腹のストレスも大きく、その反動で体重が戻りやすくなります
「痩せればいい」のではなく、「健康を保ちながら、脂肪だけをゆっくり減らす」ことがダイエットの本質です。
目標は「1ヶ月で体重の5%以内」のゆっくりペースで
では、どのくらいのペースが適切なのでしょうか。当院がおすすめしているのは、1ヶ月間で体重の5%以内の減少を目標にすることです。
たとえば体重5kgの子であれば、1ヶ月で250g以内。「それだけ?」と感じるかもしれませんが、この「ゆっくり」こそが安全で、成功しやすいペースです。焦って目標を早めたくなる気持ちをぐっとこらえて、じっくり取り組みましょう。
獣医師をうまく巻き込んでください
ダイエットを成功させる一番のコツは、獣医師を計画の一員として巻き込むことです。診察室では、次のようなことを一緒に確認・設計できます。
- 現在の体重と体型の評価、目標体重の設定
- 肥満の背景にある病気(甲状腺・ホルモン・関節の痛みなど)が隠れていないかのチェック
- その子に合った、安全なフードの種類と1日の給与量の設計
- トリーツや家族の与え方を含めた、生活全体の見直し
- 経過を見ながらの、量やペースの微調整
「まず病院で計画を立て、その計画に沿って進め、経過を一緒に確認する」という流れをつくることが、安全で確実なダイエットへの近道です。
月に2回は通院を
ダイエット中は、月に2回の通院をおすすめしています。ご自宅の体重計では分かりにくい、体重の細かな変化や体型・筋肉の付き方を確認し、減り方が早すぎないか、遅すぎないかをチェックするためです。
数値が思うように動かないときも、想定より減りすぎているときも、早めに気づいて修正できるのが定期的な通院の大きなメリットです。また、「今月も頑張れている」という確認ができることは、飼い主さんの継続のモチベーションにもなります。
ダイエット中に心がけたいこと
- フードは計量する:目分量ではなく、はかりで量って与えます。数gの違いが積み重なります
- トリーツは計画に組み込む:第3回でお伝えした通り、トリーツも1日のカロリーの一部です。家族全員でルールを共有しましょう
- 食事回数や与え方を工夫する:満足感を保つために、1日量を数回に分けるなどの工夫も有効です
- 無理のない範囲で運動を:関節や心臓に持病のある子は、必ず事前に獣医師にご相談ください
こんな時はご相談ください
- 体重が増えてきた、体型が丸くなってきた
- 自己流でダイエットを始めたが、うまくいかない、または急に痩せてきた
- 食事量を減らしたら、猫さんが食べなくなってしまった
- ダイエットの計画を立てて、月2回の通院で見守ってほしい
「フードとダイエット」セミナー開催のお知らせ
ここまで5回にわたり、フードとダイエットについてお話ししてきました。院内セミナー「フードとダイエット」では、ブログでは伝えきれなかった実例や、ご自宅で今日から使えるポイントを、質問にもお答えしながらお伝えします。日時・お申し込み方法は下記をご確認ください。
【日時】10月31日(土)13時〜 【場所】MiU動物病院 【定員】7名 【参加費】無料 【お申し込み】受付またはお電話にて
愛するわんちゃん・猫さんの健康を、一緒に守っていきましょう。皆さまのご参加をお待ちしています。
