横須賀三浦の皆さんこんにちわ。おそらくほぼ全てのわんちゃんが当てはまるテーマになりますね。飼主さんに知っておいて欲しいワンちゃんの口臭について、どうか一読ください。
「くさい」で済ませないで! 愛犬の口臭は歯周病のサインかもしれません
「ペロッとなめられたとき、ちょっとにおうな…」と感じたことはありませんか? 実は、犬の口臭は単なる体質や食事のせいではなく、口の中で深刻なことが起きているサインかもしれません。
口臭の正体は「細菌のかたまり」
犬の口の中には、もともとたくさんの細菌が存在しています。食後に歯の表面に残った食べかすをエサにして細菌が増え、ネバネバとした歯垢(プラーク)が形成されます。
問題はそのスピードです。人間の場合、歯垢が歯石に変わるまで約3週間かかると言われていますが、犬はわずか2〜3日で歯石になってしまいます。歯石が増えると細菌はさらに繁殖し、独特のにおいを放つようになります。これが口臭の正体です。
口臭が気になりはじめたとき、すでに歯肉炎(歯ぐきの炎症)が起きていることがほとんどです。
「歯周病」は口だけの病気じゃない
歯肉炎を放置すると、炎症は歯ぐきの奥へと広がり、歯を支える骨(歯槽骨)まで溶かしていく歯周病へと進行します。
驚くべきことは、歯周病は口の中だけの問題にとどまらないということです。
炎症が起きた歯ぐきの粘膜からは、歯周病菌が血流に乗って全身をめぐります。その結果として
- 心臓病(弁や心膜への細菌感染)
- 腎臓病(糸球体腎炎など)
- 肝臓病
- 肺炎
といった全身疾患を引き起こすリスクがあると報告されています。口の病気が、命に関わる内臓の病気につながる——これが歯周病の本当の怖さです。
さらに病状が進むと、歯根の炎症が鼻腔にまで波及して慢性的な鼻炎を引き起こしたり、重度のケースでは下顎の骨が折れてしまうこともあります。
実はほとんどの犬が歯周病を抱えている
「でも、うちの子は元気だから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、3歳以上の犬の約80%が何らかの歯周病を患っているというデータがあります(米国獣医歯科学会)。
歯周病は初期には痛みや見た目の変化が少なく、飼い主さんが気づきにくい病気です。口臭、歯ぐきの赤み・腫れ、歯の色の変化(黄〜茶色)が見られたら、すでに歯周病が始まっているサインと考えてください。
こんなサインに気をつけて
- 口が臭う(生臭い・ドブのようなにおい)
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯が黄色や茶色に変色している
- 硬いものを嫌がる、食欲が落ちた
- 口の周りを気にして触れるのを嫌がる
- くしゃみや鼻水が続く(歯根の炎症が鼻に及んでいる可能性)
日常ケアと定期検診のすすめ
歯周病の予防でもっとも大切なのは、毎日の歯磨きです。歯垢のうちにブラッシングで落とすことができれば、歯石への移行を防げます。最初は口周りを触ることから慣れさせ、少しずつ歯ブラシに移行していきましょう。
ただし、いちど歯石になってしまうとブラッシングでは取り除けません。そのときは動物病院でのスケーリング(歯石除去)が必要になります。スケーリングは歯周ポケットの処置を安全に行うため、全身麻酔下で実施します。
また、「口臭がひどくなってから」ではなく、定期的に口の中をチェックしてもらうことが早期発見につながります。年に1〜2回の口腔検診をぜひ習慣にしてみてください。
愛犬のにおいは、体が発しているメッセージです。「くさいな」と感じたとき、ぜひ一度お口の中を見てあげてください。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。