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下痢だから絶食は間違い?!

三浦半島の皆さんこんにちわ。日々の診療で時々感じる違和感。その一つが多くの飼い主さんが、ワンちゃん、猫さんが下痢をした時の対応です。「下痢だから腸を休ませるために絶食する」これは場合によっては全身状態をさらに悪化させる危険な行為になることがあります。現代医療においての新常識は「下痢でも食欲があるなら食べさせた方が回復が早い」なんです。

下痢で絶食は間違い?! 愛犬・愛猫がお腹を壊したときの正しい対応

「うちの子が下痢をしたら、まずは絶食させて様子をみよう」

こう考えている飼主さんは、まだ多くいらっしゃるのではないでしょうか。一昔前は人間でも動物でも「お腹を壊したら腸を休ませる=絶食」が常識とされていました。

しかし近年、この考え方は大きく変わってきています。今回は「下痢のときの絶食」について、最新の考え方をわかりやすくご紹介します。

以前は「絶食」が当たり前だった

以前の獣医療では、下痢や嘔吐がみられる動物には「24時間〜48時間の絶食」が指示されることが一般的でした。「消化管を休ませることで炎症が落ち着く」という考え方が背景にあります。

この考え方自体が完全に間違っているわけではありませんが、現在ではケースによってはむしろ逆効果になる可能性があることがわかってきました。

現在の考え方:早めの食事再開がカギ

現在の獣医療では、軽度〜中等度の下痢の場合、無理に長期間絶食させるのではなく、消化に良い食事を早めに少量から再開することが推奨されるケースが増えています。

理由としては、以下のようなことが挙げられます。

腸の粘膜細胞は、実は腸の中にある食べ物から直接エネルギーを得て修復されています。絶食を続けると、この修復に必要なエネルギーが不足し、回復が遅れてしまう可能性があります。

また、絶食が長引くと、体重減少や栄養状態の悪化につながりやすく、特に子犬・子猫や高齢の動物、もともと体力のない子にとっては大きな負担になります。

こんなときは絶食ではなく「食事の見直し」を

軟便〜下痢気味だけれど、元気や食欲はある、嘔吐は伴っていない、または軽度、おしっこの量や飲水量に大きな変化がない、というような場合は、無理に絶食させず、消化の良いフード(療法食の消化器サポート系など)を、いつもより少量ずつ・回数を分けて与えることが選択肢になります。

注意!こんな症状があれば、絶食どころか「すぐ受診」

ここがとても大切なポイントです。下痢のときに絶食が見直されてきたとはいえ、自己判断で対応してよいケースとそうでないケースは明確に分かれます

以下のような症状がある場合は、自宅での対応(絶食・食事継続いずれも)ではなく、できるだけ早く動物病院を受診してください。

血便、黒い便(タール状)がみられる、嘔吐を繰り返している、ぐったりして元気がない、食欲が全くない、子犬・子猫、シニアの子、持病のある子の下痢、下痢が2日以上続いている、誤食の可能性がある、といった場合です。

これらは脱水や重篤な疾患のサインである可能性があり、絶食か食事継続かという話以前に、早急な検査・治療が必要になることがあります。

まとめ

下痢のときに「とにかく絶食させればいい」という考え方は、現在では必ずしも正解とは言えなくなってきています。軽い下痢であれば、消化に良いものを少量から早めに再開する方が、腸の回復にとって良い場合があります。

一方で、絶食が適切なケースも実際にはあり、その判断には全身状態の評価が欠かせません。「うちの子の場合はどうすればいいか」迷ったときは、自己判断せずにお気軽に当院にご相談ください。

何か気になる症状がございましたら、お早めにご来院いただくことをおすすめします。