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各疾病とフード選び(前編)

各疾病とフード選び(前編:消化器・皮膚・泌尿器のトラブルとフード) 〜症状に合わせた「食べ方の工夫」〜

横須賀三浦の皆さんこんにちわ。台風の被害に遭われた方、どうか1日も早い回復を願っております。近くのアパートに土砂崩れでお一人がまだ行方不明です。早く見つかってほしいと思います。

今回はシリーズ、フード選びとダイエット第4回になります。

これまで健康なわんちゃん・猫さんを前提に、フード選びの基本やライフステージ、トリーツとの付き合い方についてお話ししてきました。今回からは前後編に分けて、特定の病気とフードの関係についてお話しします。前編では、比較的ご相談の多い消化器・皮膚・泌尿器のトラブルを取り上げます。

あらかじめお伝えしておきたいのは、ここでご紹介する内容はあくまで一般的な考え方であり、実際のフード選びは診断や症状の程度によって大きく変わるということです。「うちの子もこの症状があるかも」と思われた場合は、自己判断でフードを変える前に、まず診察にお越しください。

消化器のトラブル:下痢・嘔吐を繰り返す子

慢性的に軟便や下痢を繰り返したり、特定のフードを食べると嘔吐しやすかったりする子には、消化のしやすさに配慮したフードが選択肢になります。脂肪分を抑えたもの、食物繊維の量を調整したもの、消化性の高い原材料を使ったものなど、症状のタイプによって適したフードは異なります。

第1回でお伝えした「うんちの観察」は、まさにこうした消化器トラブルの早期発見に直結します。フードを変えていないのに便の状態が1週間以上安定しない場合は、消化器そのものの病気が隠れている可能性もあるため、フードの調整だけで様子を見続けず、一度検査を受けていただくことをおすすめします。

皮膚のかゆみ・食物アレルギー

体を痒がる、皮膚が赤くなる、脱毛が見られるといった症状がある場合、原因の一つとして食物アレルギーが疑われることがあります。ただし、皮膚のかゆみの原因は食物アレルギーだけでなく、ノミなどの寄生虫や環境中のアレルゲン(アトピー性皮膚炎)であることも多く、実際に食物アレルギーだけが原因になっているケースは全体の中でも一部です。

食物アレルギーが疑われる場合、診断には「除去食試験」という方法を用います。アレルゲンとなりにくいよう調整されたフード(加水分解タンパクや新奇タンパク質、単一原料のものなど)を1〜2ヶ月ほど継続して与え、症状が改善するかを観察するというものです。この期間中は、トリーツや人の食べ物を含め、他の食べ物を一切与えないことが診断の精度を左右します。「試しにアレルギー用フードに変えてみる」だけでは正確な診断にならないことが多いため、除去食試験を行う際は、期間や進め方について診察の中でしっかりすり合わせることが大切です。

泌尿器のトラブル:結石・膀胱炎を繰り返す子

おしっこの回数が多い、血尿が出る、トイレで痛がる素振りを見せるといった症状は、尿路結石や膀胱炎のサインであることがあります。特に結石は再発を繰り返しやすいため、フードによる予防的な管理が重要になる代表的な疾患です。

結石にはいくつかの種類があり、種類によって食事管理の方向性が異なります。たとえばストルバイト結石は尿のpHや特定のミネラル濃度を調整することで溶解・予防を狙えることが多い一方、シュウ酸カルシウム結石は一度できると食事だけで溶かすことは難しく、再発予防が管理の中心になります。結石の種類は検査をしないと分からないため、「結石用フード」と一括りにせず、まずは結石のタイプを確認した上で、それに合ったフードを選ぶことが重要です。

前編のまとめ

消化器・皮膚・泌尿器のトラブルは、いずれも症状だけを見て自己判断でフードを選んでしまうと、かえって診断や治療の妨げになることがあります。「観察」→「相談」→「必要なら検査」→「フードの選択」という順番を意識していただければと思います。

こんな時はご相談ください

  • 下痢・軟便やおう吐を繰り返している
  • 体を痒がる、皮膚の赤みや脱毛が続いている
  • おしっこの回数や色、痛がる様子に変化がある
  • 除去食試験や結石予防食を始めるにあたり、進め方を相談したい

後編では、当院が特に力を入れている心臓病をはじめ、腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症といった内分泌系の疾患とフードの関係についてお話しします。